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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第112号 ’01−10−26★
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コトナカレ主義
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●「事勿主義」と
書いて、「身の回りが無事に過ぎ、よくも悪くも事件が起きないように、
と願う消極的な考え方」を言う。 前号の延長で言えば<しない>主義。
何か<する>から何かが起きる、何も<しない>ことにすれば何も起き
ない、つまりトラブルも起きないだろう、という積極的な?!消極性。
その方が楽だし、揉めずに済む、、かどうか、ことを荒立てるのを嫌う
我が文化。 <国民の代表>の、そのまた代表たる大臣たちをご覧あれ。
たとえば特殊法人改革案。 それを看板にしたリーダーの意に
適う積極的な案を、何故か出そうと<しない>、官僚に出させることも
<しない>。 まさに獅子身中の虫、だがそれをマスコミは叩こうとも
<しない>。 いったいどっちの味方?
Show the flag!
そもそも役人は指示に従い、実行する立場。 授けられた課題にどんな
MUST、WANT があるか拾い出し、それらを適切に満たす案を立てるのも
シゴト。 なのに、<しない>。 実行はさらに<しない>、だろう。
*
官僚が消極的なのは当然、自分たちの<将来>を保障するために築いた
仕組みだから、壊したくない。 これより良い案なんて考えられない、、、
じゃ、アタマが悪いのか? いや、使いたくないだけ、でしょう。
臓器移植ジョークにある<新品同様の脳>、霞ヶ関規格の<程度極上>。
ただし機能は、少々難あり。 役に立つ知恵を生むことは<しない>が、
<しない>ことを正当化するためなら何でも<する>。 そのため言動
は尤もらしいが、どう見られているかには全く鈍感、
<狂牛病>ではそれが露骨でした。 アフガニスタンの戦闘より遙かに
身近な脅威で、ことさら真剣に対処<する>必要があったのに、肉骨粉
の輸入経過や国内の流通消費について訊かれた農水省の担当課長、
「その資料は無い。 それを調べるには膨大な時間と労力が要る、、」
だから調査<しない>、で通用するつもりの顔。 それをレポーターは
追及<しない>。 どちらもそう<する>ためにその職に在る、という
認識が無いらしい。 それをそのまま放映するNHKの認識もオカシイ。
こんなことがまかり通るとは、さすが<しない>文化の国。
RationalProcess にはほど遠い。 発言<する>なら、何を狙いとして<する>
のか、そう<する>とどんな<マイナス影響>があるかくらい考えりゃ
良いのに。 DA、ご存じないね。 いやそれ以上、
より積極的に、それを<する>にはどのような手段が? という方向で
DAして欲しいものですが、決してそちらへ向かおうと<しない>文化。
* *
農水省トップは「起きるはずが無いという思い込みがあった」など言い、
マスコミも当初、そのまま「起きるはずの無い狂牛病が、、」と伝えて、
いました。 そう信じた根拠を明示<しない>、それを示せと迫ること
も<しない>から不思議。 責任感も探求心も無い、<痴>的な人たち。
アチラに起きた病気ならコチラにも起き得る。 少なくとも同水準の手
を打つべきだろうに、英国で肉骨粉が全面禁止とされた1996年、コチラ
は<牛の飼料として>の使用禁止のみ。 それも行政<指導>。
言えばそうなる、と思ったわけじゃあるまい。 法的に禁止、違反者は
厳罰、と<する>のがシンドイことだからでしょう。 一応言う、だけ
で、何かの場合には「言ってあった」と言い逃れるんですよ、お役人は。
* * *
果たせるかな不徹底露見。 それを「行政指導だから、破る人は破る」
と武部農水相。 人命に関わる! とか 重大事態! という認識の人
の言葉ではない。 <法律>にしなかった理由は? と訊かれても泰然、
「イギリスやEUでも時間がかかった」。 だからコチラ<も>、か?
だからコチラ<は>、に<する>気だったら出来たろうに、<しない>。
そうするには何か<する>必要がある。 なるべく<しない>で済ませ
たい、、だった、と見れば辻褄が合う、とは情けない。 そして
同じ穴の狢、畜産部長は「残念ながら発生した」。 何も<しない>で
来て今<残念>は無いだろう。 病牛の処分について質問され、「焼却
した<はず>、、」。 <はず>とはアヤシイ、と睨んだ通り間もなく、
やはり肉骨粉に加工、出荷されていた、と判明。 すると、遠藤副大臣、
「部長が些かハヤトチリした、、」。 何と、薄笑いを浮かべて!
<する>べきことを<しない>でいたことへの釈明も<しない>人たち。
私は許し難く思うが、マスコミは彼ら役職者を追及<しない>、、、
* * * *
官が官なら、民も民。 「国の指導の甘さで、本来混入してはならない
ものが、、」と飼料会社の長。 メーカーとしての<甘さ>を反省する
気配が無い。 <他責の文化>は日産だけじゃなかった。
製品のあるべき姿を自ら設定し、<指導>を受けずともその実現を図る
のがマネジメント。 自社の倫理性欠如にも、語るに落ちていることに
も気付かないとは、こりゃセンスにも欠けた人ですな。
訓練で伸ばせる能力もあるが、センスは生得のもの。 感じないから
<しない>でいられる、というケースもあることが分かる。 そんな
程度の人がトップを務めている。 よほど運に恵まれた人、なのかも。
全国農協中央会常務理事は、「国の対応の遅れだ。 最初からシッカリ
対策を出してもらいたい、消費者の不安を払拭する対策をお願いしたい。
そのためには検査の徹底なりキチンとした情報開示なり、安全性のPR
をやって欲しい」。 じゃ、あなたたちは何を<する>の?
何か<する>のは<国>、と信じているかのようだが、政治家も役所も
ろくに<しない>ことは周知の事実ですから、これは<無い物ねだり>。
その最重点
WANT は多分、責任転嫁。
問題の病牛を診た獣医は、「起立不能は牛にはよくあること。 まさか
狂牛病とは思わなかった。 疑いさえもしなかった」と。 カルテには、
<転倒>など推定のみ。 知性とは疑う心、と申しますがねえ。
飼育していた農家も、引き取りに来た家畜商も、気付かなかったと言う。
検査員は<敗血症>と診断し、食肉用には向かない、として飼料会社へ。
そして飼料会社は、、 で上に戻り、<しない>の悪循環、一丁上がり。
* * * * *
漸く動物衛生研究所が、送られた病牛の脳を顕微鏡検査してプリオンを
確認。 「とうとう来たか!」はともかく、「どうして日本で? まず
日本には発生しないだろうと安心していただけに、、」はオカシイ。
かりそめにも専門家、英国の先例情報もあったでしょう。 最悪事態の
発生を想定したり、対応を図上演習したり<する>ことも出来たはず、、、
それを<しない>で来たのは何故? はあ、PPA、ご存じなかった?
農水省衛生課室長は「事態を想定して準備していたが、今回確認された
ということは予想外だった」。 <想定>は<予想>じゃないのかな?
言語と論理はどちらも左脳の管轄。 この人の論理力、懸念あり。
その<準備>が<5年前からしていた安全性の確認検査>。 狂牛病!
と分かった時すでに肉や骨は使われた後だったという、不具合な仕組み。
<検査>の狙い、たとえば早期検出、蔓延防止など、をDA的に明確化
してかかるべきでした。 その仕組みではどちらも達成困難、しかも
検出された場合どうするか、の<緊急時対応策>が<準備>に含まれて
いなかったようです。 PPAでなら、それは一目瞭然に出来た、はず
ですが、「日本には発生しないだろう」が前提では、出来なかったかも。
<技法の活用は白紙でスタート>が鉄則。 根拠無き前提を先に立てて
では、せっかく技法を用いたとしても、本来的効果は得られません。
* * * * * *
始め良ければ終わり良し。 始め悪ければ、、? 次々混乱。
10月5日、農水省は肉骨粉の製造販売一時停止を指示。 それが助成
措置、焼却方法など具体策を欠いていたため、骨粉加工業者は立ち往生。
食肉加工業者の廃棄物も引き取れない、みんな糞詰まり! の悲鳴です。
10月6日、厚生労働省は、脳や脊髄など危険部位混入の恐れあり、と
食品メーカーなどに対し、加工食品に危険部位が含まれていないか点検
すること、安全が確認されない場合は原料として用いないようにと通知
(今まで<点検>や<確認>、無かった?)。 また、出荷前の在庫品
や店頭品も安全が確認されない場合は自主的回収や出荷見合わせ、とし、
この措置は検査体制が整うまでの間続ける、検査は10月18日以降、、、
これじゃ関係業者、みんなフリーズ。 牛骨エキスは調味料、加工食品、
健康食品に用いられており、これにプリオンが含まれている恐れがある
と厚生省は見ている、と報道されたから消費者もフリーズ、、、
DAの<マイナス影響>、そのものですな。 PPAまですべきでした。
しかし、<する>べきであったことを<しない>でいた人々が、十分な
配慮を<しない>まま<する>方へ向かったのだから、まあ、当然かも。
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しかし加工品メーカーも、英国での発生以来、何も<しない>で来たの
かな? 自社製品に用いる原料に不安を抱かずにいられた根拠は何か?
禁止されていないのだから、、
で <Anything goes> を決め込むのは<性悪説>的行動、あるいは知的怠慢。 まこと、<しない>にかけて
は、世界に冠たる<官民一体>、依然健在です。
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●前号に、欧米人は<する>文化、
と書いたのはやや極論であったかと実は反省していましたが、たまたま、
動物行動学の日高敏隆、竹内久美子両教授の対談に、こんなやり取りが
見付かりました。
(日高)「そうじゃないかなと思ったらすぐやっちゃうってところが、
向こうの人はすごいね」
(竹内)「やっぱり何事も徹底的にやらないと」
(「もっとウソを!」 文芸春秋 1997年
p.174/5)
ほら、ね。 <する>、それも<徹底的に>、が<向こうの人>。
あらゆることに興味を持ち、常識に囚われない発想に基づいて飽くこと
なく実践する。 それが目からウロコの発見につながるという、これは
科学者の対談ですから、出てくる事例もアチラの科学者の話、、
*
と書いていたら、野依教授のノーベル賞受賞。 おめでとうございます。
これまでの受賞科学者と同じく、イチョウ印大学の人ではなかったこと
が象徴的です。 あそこじゃ<する>タイプは育たないんでしょうな。
そのイチョウ印出身者が大きな顔をしているから、霞ヶ関はダメなんだ、
とまで思えて来ます。 それにしても野依教授、弟子たちの祝辞に応え
「若い人たち、頑張ってもらいたい」と言われた時のキビシーイ目つき。
<する>タイプの彼も、<しない>文化に包囲されているのでは? と
案じられました。 もしそうなら野依教授、
Rational Process です。<若い人たち>を鍛えるには、これに限りますぞ。 何故なら、
Rational Process は、<する>べきことを明らかにし、
それらを<する>ことを容易ならしめるツール!
なのですから。
■竹島元一■
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10月18日、「狂牛病 全頭検査始まる。 厚労、農相が安全宣言」
の1面見出し。 <しない>人が<する>と言い出す時は、オーバーに
なりがちなものです。 心理学で言う<補償作用>のせいかも。
すでに流通段階に在るものは、その<体制>の外。 未だ分かってない
ことは多いし、現場は当分テンヤワンヤだろう。 何が<安全宣言>か、
と疑うが、そのくらい楽観的だからこそ彼らは政治家になれた、のかも。
DA無しのエイヤ!、PPA無しの運任せ、出たとこ勝負。 そういう
人たちに我々は人生を預けている、、 こりゃ、祈るしか無いぜ、、、
■竹島元一■
■今週の
<私の写真集から>はデジカメ画像、★ミニ幸せ★
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